あこがれの人気俳優から頼まれれば、どんな不条理なことも嫌とは言えない大部屋俳優。身勝手なスターをひきたてるため、とうとう高い階段から命がけで転がり落ちる。映画の「階段落ち」のシーンにほろっときた人も多かろう
劇作家のつかこうへいさんは20年前の著書「娘に語る祖国」で在日韓国人であることを明かした。ペンネームが平仮名なのは漢字が読めない母のため。名前には「いつか公平」な世の中にという願いを込めたとの説もある。ブラックユーモアをまぶした作品の底流に、常に弱者の目線が感じられた
劇中の弱者は虐げられるだけでなく、何か突き抜けたようなたくましさもあった。重いテーマを、あえて軽く、どこか希望が持てるように描いた、つかさんの分身のようにも見える
一生かけて問い掛けてきたであろう二つの祖国。先の著書では、国境上空の機上で感じたまま「祖国とはおまえの美しさ」と幼い娘に語りかけた。「対馬海峡あたりで散骨して」という娘への遺言はいかにもつかさんらしい。
天風録 中国新聞 2010年7月14日
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