2011年01月05日

うさぎ年。縮こまらず、身も心も弾む一年でありたい・・・ 天風録 八葉蓮華

 瀬戸内海に浮かぶウサギの楽園といえばご存じの方も多かろう。竹原市の沖合にある大久野島。周囲4キロほどの島に野生の約300匹が暮らす。愛くるしい姿に会いたくて足を運ぶリピーターも増えていると聞く

 戦時中は毒ガス兵器を造る秘密の島。地図からも消されていた。毒ガスの実験に使う動物としてウサギが飼育されていたようだ。たまたま生き延びた子孫が時を経て…といった「伝説」が、まことしやかに広まったこともある

 40年ほど前、対岸の小学校から譲り受け「観光客に喜んでもらおう」と島に放したという。こっそり持ち込まれた「捨てウサギ」も加わって繁殖したのが真相らしい。カラスやヘビのほかに天敵もいない。訪れた客からは餌をもらえる。何の気兼ねもいらない

 「うさぎに うまれて/うれしい うさぎ」。周南市出身のまど・みちおさんの詩がある。声に出して読むと、不思議にわくわくしてくる。続けて「はねても/はねても/はねても/はねても/うさぎで なくなりゃしない」

 自分が自分に生まれたことは素晴らしい。だから、そのままでいいんだよ。101歳の大先輩はそんなメッセージを伝えてくれているのだろう。景気回復へ跳ねるとされるうさぎ年。縮こまらず、身も心も弾む一年でありたい。

 天風録 中国新聞 2011年1月1日
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2010年11月01日

「やめるのやめた」はすっかり民主党のおはこになった感がある・・・ 天風録 八葉蓮華

 たばこの値上げからほぼ1カ月。ここぞとばかり紫煙を断ったものの、「復煙」の誘惑にかられるころだろうか。「やめるのやーめた」。面目ないせりふも今なら、はばからずに口にしやすいかもしれない

 今期限りの引退を明言していた鳩山由紀夫前首相。ところが近ごろは、金バッジに未練たらたらとみえる。「首相経験者が影響力を行使しすぎてはいけない」。6月の退陣の際には見えを切り、大向こうをうならせたはずだった

 秋風どころか、寒風が吹き付けている民主党。「国難のときに私だけ、はいサヨナラとはいかない」。なるほど。でも、沖縄の基地移転をもつれさせた責任や自らの政治とカネの問題はどうなったの、と言いたくもなろう

 ガソリン税の暫定税率廃止取りやめに始まって高速道路の全面無料化をやめ、ついには企業・団体献金の自粛もご破算に…。「やめるのやめた」はすっかり民主党のおはこになった感がある。事業仕分けで連発している「廃止」にしても、予算の段階で貫き通せるのか心もとない

 鳩山前首相は身の振り方を近くはっきりさせるという。発言のぶれには慣れっこのおひざ元、北海道室蘭市でもあきれ顔の支持者が目立つと聞く。煙に巻かれぬよう、目を光らせる務めは選挙民にもありそうだ。

 天風録 中国新聞 2010年10月30日
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2010年10月22日

「森のくまさん」いったん味をしめたら、もう山へは戻らん・・・ 天風録 八葉蓮華

 ♪ある日森の中クマさんに出合った…。おなじみの童謡「森のくまさん」。津々浦々に広まったのはNHKが1972年「みんなのうた」で放送してからだ。優しい動物としてのイメージアップに一役買ったことだろう

 この秋、ツキノワグマとの「出合い」が後を絶たない。それもうっそうとした森の中ではない。福井県の介護施設や山形県の中学の校舎にまでクマが入り込み、看護師や校務員に襲いかかった。岩国市本郷町の民家近くでも、畑に行こうとした女性が脚をかまれる被害が出ている

 猛暑のせいもあって、今年はクマが好んで食べる山のドングリのなりが悪いという。それでも昔は見通しが良い採草地がバリアーとなって、おいそれと人里に下りてこなかった。今は荒れてやぶになり、難なく柿やクリをあさっているようだ

 「いったん味をしめたら、もう山へは戻らん」。20年余り前、西中国山地の動物取材で地元の人から聞いた言葉を思い出す。人の捨てた残飯や生ごみも里に引き寄せているとしたら、クマだけを悪者扱いできまい

 「森のくまさん」は、出合った女の子に逃げるよう忠告する。もともと森はクマのすみか。被害を防ぐ一番の対策は出くわさないことだと専門家も口をそろえる。そう考えると童謡はなかなかに奥が深い。

 天風録 中国新聞 2010年10月19日
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2010年10月03日

「かかと呼吸」から繰り出す球は、威力だけでない独特の切れ味・・・ 天風録 八葉蓮華

 トレードマークの深呼吸と、右足を高く振り上げる投球フォーム。「衆人はのどで浅く、(真理を悟った)真人はかかとで深々と呼吸する」。きのうマツダスタジアムで現役最後のマウンドに立ったカープの高橋建投手の姿に、「荘子」の一文が重なった

 40歳の昨年、迷うことなく大リーグに挑戦。日本人最年長のメジャーデビューを果たし、孔子の言う「不惑」を実証した人だ。16年間のプロ生活に区切りを付けたきのうも、ずばり速球を投げ込み、見事に日米通算1089個目の三振を奪った

 カープ入団時はドラフト4位。球威は群を抜くほどではない。シーズン2けた勝利は2001年の1度きり。打ちこまれれば「すみません」と反省し、勝つと「ありがとう」。派手なガッツポーズもない

 そんな優しさと穏やかな笑顔が慕われた建さん。08年の球宴ではファン投票で投手として史上最年長の39歳で選ばれたように、年を重ねて円熟味が加わった。成績以上の存在感は、大器晩成タイプのなせる技か

 「実は自信ある球種はないんです。でも低めに集めれば通用する」。大リーグ在籍中、淡々とインタビューに答えていた。当たり前の基本をさりげなく貫く。「かかと呼吸」から繰り出す球は、威力だけでない独特の切れ味を乗せていた。

 天風録 中国新聞 2010年9月30日
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2010年09月19日

「五輪で金を取りたい」いよいよ2年後のロンドン五輪・・・ 天風録 八葉蓮華

 ままごとが大好き。三つ年上の姉の後ろに大きな体を隠す甘えん坊だった。「少しはたくましくなってほしい」。小学校に入る前、母親に連れられて渋々、柔道教室に通い始めた少年が大金星を挙げた

 山口市生まれ、広島・崇徳高出身の上川大樹選手(20)。東京であった世界選手権の男子無差別級で金メダルを手にした。国際的には無名に近かった。さして期待もされない代表枠の4人目。あれよ、あれよという間に頂点に立った

 優しい性格が裏目に出て、伸び悩んでいた。代表合宿で監督から「おまえは、おまけのおまけやー」と怒鳴られ、負けん気に火が付いたようだ。延長にもつれこんだ決勝戦でも「世界最強」とされたフランス選手の猛攻をしのぎ、勝利をたぐり寄せた

 角界の金星といえば、69連勝中の大横綱双葉山を平幕力士が破った71年前の「世紀の一番」が思い浮かぶ。ストップをかけた広島市出身の安芸ノ海。一躍名を上げて「みっともない相撲は取れない」とけいこに励んだ。ついには横綱にのぼり詰める

 「決勝は判定負けと思った。もっと力を付けたい」。快挙にもかつての甘えん坊は控えめだ。10歳のころ「五輪で金を取りたい」と作文に書いた。いよいよ2年後のロンドン五輪を目指す。もう、おまけとは言わせない。

 天風録 中国新聞 2010年9月16日
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2010年09月05日

3トップ「トロイカ体制」政権交代から1年、正念場・・・ 天風録 八葉蓮華

 スポーツ新聞を開けばサッカーの記事しか見当たらない。そんな国イタリアからやってきたザッケローニ氏が日本代表の新監督になった。母国の強豪クラブを渡り歩いた名将は侍ブルーたちを率い、どんな試合を見せてくれるだろうか

 「1―0の勝利が最も美しい」とされるほど堅い守りを好むお国柄で、大胆にも攻撃戦術を貫いてきた。得意は最前線に3人を張り付ける3トップの布陣という。きのうの就任会見でも「私のイメージは攻撃かもしれない」と自ら認めた

 民主党では目前の代表選をめぐり、かつての3トップが2対1に割れた。3頭立ての馬そりになぞらえた「トロイカ体制」。表向きは協調のシンボルとなってきたが、とうとう敵味方に分かれる形に

 鳩山由紀夫前首相の支持も得て、下馬評で優勢とされる小沢一郎前幹事長チーム。かさにかかって攻撃を仕掛ける。国会議員票の取り合いで出遅れ気味の菅直人首相チームは、サポーターや地方の票に望みをつなぐ

 新監督のコメントは「攻守にバランスのあるチームを目指す」と続く。3トップ戦法の先達は、むしろ劣勢になったときが正念場と言いたいのかもしれない。攻防を見守る目の肥えた観客の怖さを知るからだろう。政権交代から1年、国民の目も節穴ではない。

 天風録 中国新聞 2010年9月1日
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2010年08月31日

表舞台に躍り出る「闇将軍」40年余の政治生命を懸ける・・・ 天風録 八葉蓮華

 「小沢さんにひれ伏してでも」。12年前、発足間もない小渕恵三内閣で、官房長官だった野中広務氏が漏らした言葉が忘れられない。「悪魔」とののしってきた政敵の小沢一郎氏に、あえて連立を呼び掛けるラブコールだった

 自民党を飛び出した後、新生、新進党を経て小沢氏はこの時、自由党の党首。政界再編を幾度も仕掛け、何人もの首相を誕生させた「剛腕」に、野中氏は顔色一つ変えず相まみえた。したたかなつばぜり合いは今も語りぐさだ

 その自自連立を解消して合流した民主党の代表選に、小沢氏がきのう立候補を表明した。「自分のやりたい政治を実現するには、むしろ総理にならない方がいい」と公言してはばからなかった「闇将軍」。脱小沢の看板を下ろさぬ菅直人首相に業を煮やしたか

 急シした父を継ぎ、27歳で衆院議員となって40年余の政治生命を懸ける。一方、市民運動を経て33歳で政界入りした菅首相。まるでタイプの違う二人の激突に、早くも選挙後の挙党一致を危ぶむ声が党内外からかまびすしい

 表舞台に躍り出るハラを決めた小沢氏。「自分のやりたい政治」が本当に「国民のためになる」のかどうか。それより何より「政治とカネ」の説明は一体どうなったの? 国民が聞きたいのは、その点に尽きる。

 天風録 中国新聞 2010年8月27日
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2010年08月18日

ご当地ヒーロー「清流光神ハクジャオー」夢と希望はおれが守る・・・ 天風録 八葉蓮華

 その姿ゆえ、ヘビは人の心にさざ波を引き起こす。気味悪さだったり、あるいは神々しくも見えたり。後者の代表が、国の天然記念物「岩国のシロヘビ」だろう。真っ白な体に赤っぽい目が神秘的な雰囲気を醸し出し、「神の使い」とも称されてきた

 最近はご当地ヒーロー「清流光神ハクジャオー」も登場。市民グループが考案し、地元ケーブルテレビがドラマ化した。悪役のアルゼンチンアリの女王たちとシ闘を繰り広げ、一躍人気者に。「岩国の夢と希望はおれが守る」というせりふが、シロヘビに寄せる市民の愛着と重なり合う

 残念なこともあった。今月初め、有名ヘビの「モーちゃん」が亡くなった。享年28歳で、人間に換算すると120歳にもなる。気温も湿度も快適に保たれた観覧所で長年暮らした。そんなストレスとは無縁の環境が長寿をもたらしたようだ

 飼育中のシロヘビはみな体内にICチップが埋め込まれている。居場所が分かり、体調の管理にも役に立つ。地元の保存会はシロヘビ教室を開き、子どもたちに天然記念物の価値を伝えている。物心両面で至れり尽くせりの保護ぶりは驚くほかない

 モーちゃんは晩年、神々しいほど黄金色に見えた。はく製になっても、ハクジャオーとともに街の守り神になってくれるだろう。

 天風録 中国新聞 2010年8月14日
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2010年08月17日

今を生きる年長者に礼を尽くす「長寿世界一」の看板は大丈夫?・・・ 天風録 八葉蓮華

 きょうはお盆の入り。久しぶりに帰ってきた子や孫と連れ立って、墓参りに出掛ける人もおられよう。亡くなった父母や祖父母、遠い先祖の霊に手を合わせる。ただ、もともと盆はシ者の供養をするだけではなかった

 両親そろって健在であれば、子どもたちが親元に集った。お祝いを贈ったり、ごちそうしたりする「生身魂(いきみたま)」という習わしである。始まりは鎌倉時代にさかのぼるという。今を生きる年長者に礼を尽くす「敬老の日」のような意味合いもあったようだ

 「生身魂七十と申し達者也(なり)」。正岡子規の句がある。日本人の平均寿命が45歳にも届かなかった明治の半ば。子規自身わずか34歳で世を去っている。70歳は「古来稀(まれ)なり」とされる。すこやかに迎えることができたと、ごちそうを囲み家族と喜び合う姿が目に浮かぶ

 1世紀余を経たこの国では連日、100歳以上の高齢者の「行方知れず」が報じられている。その数200人を下らない。国内最高齢をはるかに超える127歳や125歳も。行政の怠慢とすれば「長寿世界一」の看板は大丈夫?と首をかしげたくもなる

 役所の住民基本台帳の中でひっそり存在し続けてきた超高齢者。多くは生シさえ分からない。冥界との境をさまようこの人たちを、生身魂と呼べないのが悲しい。

 天風録 中国新聞 2010年8月13日
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2010年08月15日

「ゆとり世代 就職活動 ゆとりない」行き詰まり感のぬぐえないこの国・・・ 天風録 八葉蓮華

 来春、卒業するのに、まだ内定がもらえない。うだるような暑さの中、会社説明会に出かけていく。背中につーっと汗が流れる。「皆さん、上着を脱いで楽にしてください」。企業の担当者に勧められても、誰も脱ぐ人はいないのだと、就活中の学生が教えてくれた

 週5日制や学ぶ楽しさを引き出す総合学習。そんなゆとり教育を受けてきた世代が社会人になり始めた。自由でマイペースといったイメージがあるが、厳しい就職戦線の中では縮こまってしまうのだろう

 「ゆとり世代 就職活動 ゆとりない」。東京のコンサルタント会社が募った就活川柳である。企業は採用を絞り、景気対策も進まない。ゆとりがないのは受け入れる社会の側ではないか。ハローワーク広島の学生職業センターには、盆を前にしても相談に訪れる姿が後を絶たない

 ある女子学生の足は、靴ずれでばんそうこうだらけだ。内定をもらった友人がブログに「遊ぶぞー」と書き込んでいた。焦りでくじけそうな心を、なじみになった相談員が受け止めてくれる。羽休めをする止まり木のような場所になっているのか

 行き詰まり感のぬぐえないこの国。ゆとり世代が持ち味を生かせる世の中になれば、何かが変わるかもしれない。試練を乗り越え、羽ばたいてほしい。

 天風録 中国新聞 2010年8月11日
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2010年08月14日

犠牲者を悼み、惨禍を繰り返してはならないと誓うのは広島も長崎も同じ・・・ 天風録 八葉蓮華

 「にんげんをかえせ」と原爆を鋭く告発したのは広島の詩人峠三吉だ。一方、長崎で被爆した永井隆博士は「灰の中に伏して神に祈る」と随筆「長崎の鐘」に記した。キリスト教信者として原爆投下は神が与えた試練と考えたのだろう

 これらの作品も影響したのか、二つの被爆地は「怒りのヒロシマ、祈りのナガサキ」と形容されてきた。大国の核兵器保有を声高に批判するのが広島。世界平和の実現をひたすら祈念するのが長崎、といったふうに

 だがそれは思いこみだったのかもしれない。広島大原爆放射線医科学研究所が5年前に行った被爆者アンケートがある。自由記述欄に出てくる単語に、祈りや怒りの言葉はさほど多くなかった。むしろ被爆地にかかわらず「肉親にまつわる体験」「核兵器廃絶による平和」が目立ったという

 きのうの長崎市の平和祈念式典。「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表の内田保信さんは「(被爆2世の)子供の健康が心配だった」「私は原爆を絶対に許せない」と言い切った。みけんの深いしわが、怒りの歳月を刻んでいるように見えた

 犠牲者を悼み、惨禍を繰り返してはならないと誓うのは広島も長崎も同じだろう。それは怒りにも祈りにもなる。ただ、あきらめに変えるわけには到底いかぬ。

 天風録 中国新聞 2010年8月10日
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2010年08月12日

「ピカドンを忘れんさんな」それぞれのお国言葉で誓ってもらいたい・・・ 天風録 八葉蓮華

 「姉ちゃんは骨だけになってシんだ/シぬ時/『ピカドンを忘れんさんな』といった」。被爆から7年後、峠三吉と山代巴が編んだ詩集「原子雲の下より」に、「姉ちゃん」と題した詩がある

 当時、中学1年だった池田博彰さんが書いた。大好きだったお姉ちゃんが「大きらいな戦争でおばけみたいになった」。あまたの未来を切り裂いた1発の原爆。広島弁を声に出してみる。優しい響きに込められた無念さが迫ってくるようだ

 きのう74カ国の海外代表も参列した広島市の平和記念式典。秋葉忠利市長の平和宣言は広島弁から始まった。「ああ やれんのう、こがあな辛(つら)い目に、なんで遭わにゃあ いけんのかいのう」。被爆者の思いはええがいに伝わったと信じよう

 国連事務総長として初めて参列した潘基文氏は、英語のあいさつに「私は平和のために広島に参りました」と日本語を交えた。朝鮮戦争の劫火(ごうか)を逃れた少年時代の思い出も相まって、日本語に託した決意に深い共感を覚えた人は多かろう

 人の心を打つ体験は「その人の持つ言葉で表現されるとき、ほんとに相手に通ずる」と、方言の力を言い当てたのは民俗学者の宮本常一だ。それぞれのお国言葉で世界の政治家に誓ってもらいたい。ピカドンの悲劇は絶対忘れんけえ、と。

 天風録 中国新聞 2010年8月7日
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2010年08月11日

遠来の客を数多く迎える、ヒロシマに向けるまなざしや感性に・・・ 天風録 八葉蓮華

 わが家の目と鼻の先にたたずむ原爆ドーム。窓際のピアノや勉強机に向かえば、世界遺産のシルエットが視界に飛び込んでくる。爆心地そばの寺で生まれ育った小6の高松樹南さんにすれば変哲もない風景だったのだろう

 「この地に原爆が落とされたことさえ忘れていました」。気付かせてくれたのは家族旅行で境内の墓地に立ち寄った福岡県の中学生。熱線で焼け、石肌がざらつく墓をさすっていた。いたわるような手つきや表情を目の当たりにした時、恥ずかしさがこみ上げてきたという

 毎日が平和学習のような環境も「心ここにあらざれば見れども見えず」。儒者の教えが思い出される。樹南さんはけさ、広島市の平和記念式典にこども代表として臨む。どんな思いを込め、誓いの言葉を読み上げるだろうか

 「平和」と題した谷川俊太郎さんの詩がある。「平和/それは空気のように/あたりまえなものだ」。65年もの間、この国は戦争のない「空気」を満喫することができた。しかし海外を見渡せば、そんな国はあまり多くない

 「あたりまえ」を時には疑ってみたい。外からヒロシマに向けるまなざしや感性に、わが身を省みることも多かろう。被爆地に住む私たちにとって見慣れた原爆ドームはきょうも、遠来の客を数多く迎える。

 天風録 中国新聞 2010年8月6日
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2010年08月10日

「1円の重み」バブル崩壊からずっと、起業件数は廃業件数に追い付かないまま・・・ 天風録 八葉蓮華

 のどが渇いて清涼飲料の自販機に硬貨を入れようとし、営業車のガソリン代を思い浮かべる。蛇口の水で我慢。冷房の電気代を削るため、事務所の窓を開け、客が来ないときはTシャツ、短パンを仕事着にした

 この夏なら、とても乗り切れそうにない。先ごろ広島市内で開かれたパネル討論で、起業家が明かした苦労話である。丹念に帳簿を付け、サラリーマン時代とは違って「1円の重み」を痛感したという

 セミナーやシンポの会場には、成功者の経験談を聞き漏らすまいとする参加者の熱気がいっぱいだ。「結果がすべて」だから説得力はある。大口取引や新規開店にこぎ着けた時の達成感も伝わってくる

 もちろん、すぐにまねができるわけではない。1件の成功の陰には、どれだけ多くの失敗が隠れていることか。バブル崩壊からずっと、起業件数は廃業件数に追い付かないままだ。菅直人首相が言う「20年に及ぶ日本の閉塞(へいそく)状況」と重なる

 新しい成長戦略のためにも、起業をもっと促したいところ。このため、国は環境の保全や伝統文化の継承といった「社会貢献型」への支援策も打ち出す。就活に忙しい学生や第二の人生を歩み始めたシニアへの誘いだ。交流会や体験行事が相次ぐこの時期、もう一つの進路を考えてみては。

 天風録 中国新聞 2010年8月5日
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2010年08月08日

「書道パフォーマンス甲子園」各校の書道部も最近、息を吹き返している・・・ 天風録 八葉蓮華

 小泉八雲が120年前に来日した時、引きつけられたのが街にあふれていた筆書きの文字だ。「一筆一筆に秘法があって生あるように見える」と書いている。符号のようなアルファベットにない不思議な力を感じ取ったのだろうか

 先ごろ愛媛県四国中央市であった「書道パフォーマンス甲子園」。のぞいてみてパワーに驚かされた。各地の高校生が10人ほどのチームを組み、音楽に合わせ巨大な紙に字を書く。恩師への感謝の言葉や古里自慢の詩…。一筆ごとに満員の会場を沸かせた

 浴衣姿で、たおやかな平安調の仮名をつづった広島市の五日市高が昨年の優勝に続いて準優勝に輝いた。そろいの華やかな衣装や大小の筆を動かすステップも見もの。何となく地味、といった書道のイメージはすっかり吹き飛んだ

 文字といえば携帯やパソコンで「打つ」世代。だが電子文字では個性が出せない。自分なりの書き味を出せるのが新鮮に映るのかもしれない。減る一方だった各校の書道部も最近、息を吹き返しているそうだ

 「甲子園」の舞台は日本一の紙の産地だ。個性を生かした大会で、PR効果はまずまずのよう。全国8割のシェアを誇る熊野筆の組合も協力している。今や街からすっかり姿を消した墨書。八雲を魅了した世界がよみがえれば。

 天風録 中国新聞 2010年8月3日
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2010年08月07日

安全保障についての政治主導が見えない「核の傘」にしがみつく日本外交・・・ 天風録 八葉蓮華

 米国で「ヒロシマの声は届いていますか」と尋ねた。すると「日本政府にこそ届けて」と軍縮の専門家に切り返されたという。おとといの国際シンポジウムで、本紙の金崎由美記者が報告した情けなくも、考えさせられる話だ

 オーストラリアのエバンズ元外相は昨年5月、「日本は核兵器が大好き」と皮肉った。生物化学兵器などの脅威を念頭に、核の先制使用の選択肢は何としても残したい。「核の傘」にしがみつく日本外交が核軍縮の足を引っ張っていると言うのだ

 昨秋の政権交代後も、この分野での官僚の力は強い。岡田克也外相が先月、核軍縮の有識者懇談会を設けたのもその対抗策だろう。一方で、菅直人首相の諮問機関は非核三原則の見直しを近く求めるという。安全保障についての政治主導が見えない

 見過ごせない動きもある。政府はインドに原発関連の機器を輸出できるよう原子力協定の交渉を始めた。核拡散防止条約(NPT)に加盟しない核保有国への輸出はNPT体制を崩しかねない。野党時代に民主党も反対していた

 先日の会見で、成長著しいインドへの輸出拡大を説いた菅首相の感覚を疑う。ビジネスのために被爆国の責務を置き去りにするのか。6日の平和記念式典に臨む首相にこそ、ヒロシマの声を届けねば。

 天風録 中国新聞 2010年8月2日
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2010年08月05日

らくだ「元気でいる」生きていると装い、金をせしめるプライバシーの壁・・・ 天風録 八葉蓮華

 長屋の嫌われ者を兄貴分が訪ねると、フグにあたって変わり果てた姿になっていた。家財は金にならないガラクタばかり。通夜の酒や料理を工面しようと、嫌がるくず買いに亡きがらを背負わせ、大家のもとへ…。歌舞伎にもなった落語「らくだ」である

 気味悪さではこちらも引けを取るまい。東京都内で最高齢の111歳で生きているはずの男性が、民家の自室からミイラ化した状態で見つかった。亡くなったとみられるのは約30年前

 一つ屋根の下で暮らしてきた家族は「元気でいる」と近所に話していた。生存確認にきた民生委員にも「会いたくないと言っている」と面会を拒んだという。プライバシーが厚い壁になっているのなら、何とも割り切れない

 「長寿番付19位」の110歳で都内在住と公表された女性が、実は40年以上も前から行方不明だったケースもある。複雑な家庭の事情のせいで、家族は届け出ていなかったとされる

 かの男性の口座には教員だった妻の遺族年金約950万円が振り込まれた。少なくとも600万円が引き出されていたという。落語の方では、シ体を踊らせて大家を縮み上がらせ、首尾よく酒やさかなにありつく。生きていると装い、金をせしめる昨今の事件に比べれば、まだかわいげがあると言うべきか。

 天風録 中国新聞 2010年7月31日
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2010年08月04日

極刑の在り方「現場」を見届けた、人権派として知られた法相・・・ 天風録 八葉蓮華

 禁固35年はあまりに軽すぎる。カンボジアの人たちの本音ではなかろうか。1万数千人を闇に葬った政治犯収容所の元所長に先ごろ下された判決だ。「頭をなぐられたようだ」と元収容者。拷問の苦しみがよみがえったのかもしれない

 1970年代、極端な共産主義を振りかざしたポル・ポト政権。裁判抜きの処刑や強制労働で国民の4人に1人が命を絶たれた。おぞましい記憶が、アジアで初めてシ刑の廃止に踏み切らせる原動力になった

 多くのユダヤ人が虐サツされたアウシュビッツ強制収容所の元所長は戦後、権勢を振るった収容所の庭先で絞首刑に処された。そのシ刑台は今も見学者に公開されているそうだ。肉親を奪われた無念は、容易に消し去ることはできまい

 国際人権団体によると、昨年のシ刑執行国は日本など18カ国にとどまったという。廃止国は増えている。ならば禁固刑を何十年、何百年と積み上げるか、獄中に一生とどめ置く終身刑で代えるのか。どちらにしてもシ刑との落差は大きい

 千葉景子法相が極刑の在り方について議論を呼び掛けた。執行の署名だけで済ませてきた歴代大臣と違い、初めて「現場」を見届けたという。シ刑廃止論にくみする人権派として知られた法相。その胸にどんな思いが去来したのだろう。

 天風録 中国新聞 2010年7月30日
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2010年08月03日

干満の激しい動きが海中の養分をかきまぜ、多くの命をはぐくんできた・・・ 天風録 八葉蓮華

 「生きている化石」と呼ばれるカブトガニにとって、この時季の大潮はよほど特別なのだろう。上げ潮に合わせて砂浜の奧へ進み、卵を産む。ちょうどふ化にぴったりの、砂の温かさになるらしい

 決まって旧暦の6月17日。宮島の管絃祭も夏の大潮が舞台になる。今年はきのうがその日に当たった。「月の出と潮の満干がこの祭の夜の事実上の進行係であった」。広島市出身の作家竹西寛子さんが代表作の「管絃祭」に書いている

 廿日市市沖の大野瀬戸を巡った御座船は大鳥居をくぐり厳島神社の奧へ向かう。回廊ぎりぎりまで海水が満ち、平安絵巻は最高潮へ。船を引く広島市の江波漕伝馬(こぎてんま)保存会や呉市の阿賀漁協のこぎ手たちも腕の見せどころだ

 300年前、転覆しかけた御座船を両地区の船が助けて以来続く大役という。かつて江波では20歳を迎えた地元漁師の「一生に一度の晴れ姿」だった。今や近隣からボランティアがはせ参じるのも、時代の流れかもしれない。「管絃の船を曳(ひ)きゆく八丁櫓(ろ) 鈴木厚子」

 きのう夕刻から深夜にかけ、神社付近の潮位は3メートルほども上がった。干満の激しい動きが海中の養分をかきまぜ、多くの命をはぐくんできた瀬戸内。連綿と続く祭りは「母なる海」を実感させてくれる舞台装置でもある。

 天風録 中国新聞 2010年7月29日
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2010年08月01日

一刀斎「ええんちゃうの」と人生を楽しめる懐の深さ・・・ 天風録 八葉蓮華

 「みんなで渡れば怖くない」。世相を風刺する漫才がはやった約30年前。もう一ひねりしたのが京都大名誉教授の数学者、森毅さんだった。「ひとりで渡ればあぶなくない」。何でも横並び、がんじがらめの管理社会を皮肉った

 世の中が一色に染まることを何より嫌った。昭和一けた生まれ。滅私奉公でお国に一生をささげると誓った「よい子」が、戦後は民主主義を唱えるようになった。正義がひっくり返る恐ろしさが骨身に染みていたのかもしれない

 「学者も一種の芸人や」と言って長唄や歌舞伎に親しんだ。古今東西の小説、詩の選集も編む。漫画家、タレントなど対談の相手に選んだ顔触れが、またすごい。旺盛でしなやか。そんな好奇心の一端が垣間見える

 時事問題から宝塚歌劇、プロ野球の評論に至るまで、新聞やテレビに引っ張りだこになったのも道理だ。「一刀斎」と親しまれた風ぼう。世の動静に切り込み、時に「常識」をいなしてみせる快刀乱麻ぶりが小気味よかった

 大学では定年までずっと教養部に。難しそうな数学も、幅広い視点からとらえ直したら面白い、という含みではなかったか。教養とは物知りのことではあるまい。「ええんちゃうの」と人生を楽しめる懐の深さ。森さんの伸びやかな一生が教えてくれた。

 天風録 中国新聞 2010年7月27日
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