戦時中は毒ガス兵器を造る秘密の島。地図からも消されていた。毒ガスの実験に使う動物としてウサギが飼育されていたようだ。たまたま生き延びた子孫が時を経て…といった「伝説」が、まことしやかに広まったこともある
40年ほど前、対岸の小学校から譲り受け「観光客に喜んでもらおう」と島に放したという。こっそり持ち込まれた「捨てウサギ」も加わって繁殖したのが真相らしい。カラスやヘビのほかに天敵もいない。訪れた客からは餌をもらえる。何の気兼ねもいらない
「うさぎに うまれて/うれしい うさぎ」。周南市出身のまど・みちおさんの詩がある。声に出して読むと、不思議にわくわくしてくる。続けて「はねても/はねても/はねても/はねても/うさぎで なくなりゃしない」
自分が自分に生まれたことは素晴らしい。だから、そのままでいいんだよ。101歳の大先輩はそんなメッセージを伝えてくれているのだろう。景気回復へ跳ねるとされるうさぎ年。縮こまらず、身も心も弾む一年でありたい。
天風録 中国新聞 2011年1月1日
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