この秋、ツキノワグマとの「出合い」が後を絶たない。それもうっそうとした森の中ではない。福井県の介護施設や山形県の中学の校舎にまでクマが入り込み、看護師や校務員に襲いかかった。岩国市本郷町の民家近くでも、畑に行こうとした女性が脚をかまれる被害が出ている
猛暑のせいもあって、今年はクマが好んで食べる山のドングリのなりが悪いという。それでも昔は見通しが良い採草地がバリアーとなって、おいそれと人里に下りてこなかった。今は荒れてやぶになり、難なく柿やクリをあさっているようだ
「いったん味をしめたら、もう山へは戻らん」。20年余り前、西中国山地の動物取材で地元の人から聞いた言葉を思い出す。人の捨てた残飯や生ごみも里に引き寄せているとしたら、クマだけを悪者扱いできまい
「森のくまさん」は、出合った女の子に逃げるよう忠告する。もともと森はクマのすみか。被害を防ぐ一番の対策は出くわさないことだと専門家も口をそろえる。そう考えると童謡はなかなかに奥が深い。
天風録 中国新聞 2010年10月19日
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