2010年08月14日

犠牲者を悼み、惨禍を繰り返してはならないと誓うのは広島も長崎も同じ・・・ 天風録 八葉蓮華

 「にんげんをかえせ」と原爆を鋭く告発したのは広島の詩人峠三吉だ。一方、長崎で被爆した永井隆博士は「灰の中に伏して神に祈る」と随筆「長崎の鐘」に記した。キリスト教信者として原爆投下は神が与えた試練と考えたのだろう

 これらの作品も影響したのか、二つの被爆地は「怒りのヒロシマ、祈りのナガサキ」と形容されてきた。大国の核兵器保有を声高に批判するのが広島。世界平和の実現をひたすら祈念するのが長崎、といったふうに

 だがそれは思いこみだったのかもしれない。広島大原爆放射線医科学研究所が5年前に行った被爆者アンケートがある。自由記述欄に出てくる単語に、祈りや怒りの言葉はさほど多くなかった。むしろ被爆地にかかわらず「肉親にまつわる体験」「核兵器廃絶による平和」が目立ったという

 きのうの長崎市の平和祈念式典。「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表の内田保信さんは「(被爆2世の)子供の健康が心配だった」「私は原爆を絶対に許せない」と言い切った。みけんの深いしわが、怒りの歳月を刻んでいるように見えた

 犠牲者を悼み、惨禍を繰り返してはならないと誓うのは広島も長崎も同じだろう。それは怒りにも祈りにもなる。ただ、あきらめに変えるわけには到底いかぬ。

 天風録 中国新聞 2010年8月10日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:08| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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