2010年08月05日

らくだ「元気でいる」生きていると装い、金をせしめるプライバシーの壁・・・ 天風録 八葉蓮華

 長屋の嫌われ者を兄貴分が訪ねると、フグにあたって変わり果てた姿になっていた。家財は金にならないガラクタばかり。通夜の酒や料理を工面しようと、嫌がるくず買いに亡きがらを背負わせ、大家のもとへ…。歌舞伎にもなった落語「らくだ」である

 気味悪さではこちらも引けを取るまい。東京都内で最高齢の111歳で生きているはずの男性が、民家の自室からミイラ化した状態で見つかった。亡くなったとみられるのは約30年前

 一つ屋根の下で暮らしてきた家族は「元気でいる」と近所に話していた。生存確認にきた民生委員にも「会いたくないと言っている」と面会を拒んだという。プライバシーが厚い壁になっているのなら、何とも割り切れない

 「長寿番付19位」の110歳で都内在住と公表された女性が、実は40年以上も前から行方不明だったケースもある。複雑な家庭の事情のせいで、家族は届け出ていなかったとされる

 かの男性の口座には教員だった妻の遺族年金約950万円が振り込まれた。少なくとも600万円が引き出されていたという。落語の方では、シ体を踊らせて大家を縮み上がらせ、首尾よく酒やさかなにありつく。生きていると装い、金をせしめる昨今の事件に比べれば、まだかわいげがあると言うべきか。

 天風録 中国新聞 2010年7月31日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:35| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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