2010年08月04日

極刑の在り方「現場」を見届けた、人権派として知られた法相・・・ 天風録 八葉蓮華

 禁固35年はあまりに軽すぎる。カンボジアの人たちの本音ではなかろうか。1万数千人を闇に葬った政治犯収容所の元所長に先ごろ下された判決だ。「頭をなぐられたようだ」と元収容者。拷問の苦しみがよみがえったのかもしれない

 1970年代、極端な共産主義を振りかざしたポル・ポト政権。裁判抜きの処刑や強制労働で国民の4人に1人が命を絶たれた。おぞましい記憶が、アジアで初めてシ刑の廃止に踏み切らせる原動力になった

 多くのユダヤ人が虐サツされたアウシュビッツ強制収容所の元所長は戦後、権勢を振るった収容所の庭先で絞首刑に処された。そのシ刑台は今も見学者に公開されているそうだ。肉親を奪われた無念は、容易に消し去ることはできまい

 国際人権団体によると、昨年のシ刑執行国は日本など18カ国にとどまったという。廃止国は増えている。ならば禁固刑を何十年、何百年と積み上げるか、獄中に一生とどめ置く終身刑で代えるのか。どちらにしてもシ刑との落差は大きい

 千葉景子法相が極刑の在り方について議論を呼び掛けた。執行の署名だけで済ませてきた歴代大臣と違い、初めて「現場」を見届けたという。シ刑廃止論にくみする人権派として知られた法相。その胸にどんな思いが去来したのだろう。

 天風録 中国新聞 2010年7月30日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:30| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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