転勤族で何度も引っ越した横田家。「広島時代が一番幸せだった」と父の滋さんは振り返っている。家族の中心にいためぐみさん。動物好きで、太陽のように周りを明るくしたという。写真から3年後、新潟の地で人生が暗転する
片や元外交官を父に持ち、北朝鮮で恵まれた日々を送っていたのが金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員だ。大学で語学力を見込まれ、国家のテロ工作に駆り出された。めぐみさんより2歳上。運命の糸が交わるように、本来なら接点がないはずの2人が26年前に出会った
拉致被ガイ者とテロ事件実行犯。北朝鮮という国家によって翻弄(ほんろう)されたことには違いなかろう。母の早紀江さんは元工作員との対面で「懐かしさを感じた」と明かした。まな娘の境遇と、目の前の女性の数奇な半生を重ね合わせたのかもしれない
たくさん猫を飼い、周りを楽しませた。元工作員が伝えためぐみさんの暮らしぶりは、少女のころの面影をとどめる。「絶対生きている」との言葉に希望をつなげたい。運命の糸が解きほぐされる日はいつか。
天風録 中国新聞 2010年7月23日
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