きのう未明、都内のホテルで記者会見した菅直人首相。与党に転じた民主党は今回、改選前を10議席も割り込んだ。かみしめるような口調で敗因を語りながら時折、視線を宙に泳がせた。元首相の姿と二重写しになってしまう
ともに長州ゆかり。安倍氏が「美しい国」を掲げれば、菅首相は「最小不幸社会」を旗印に。目を引くキャッチフレーズだが、いまひとつ中身はぴんとこなかった。片や「年金」、片や「消費税」で足をすくわれた。「民意はわれに」と思い込んでいた辺りも似通っている
とはいえ登板のタイミングはかなり違う。5年半に及んだ小泉政権を継ぎ、若きエースとして登場した安倍氏。一方、菅首相はわずか8カ月余で退陣した鳩山政権に代わって、急きょマウンドに上がったばかりだ
安倍氏に倣ったのか、菅首相は早々と続投を宣言した。だが野党は手ぐすね引き、身内からも責任論がくすぶる。この9月には党代表選が待ち構えている。安倍氏が退陣したのも9月。その轍(てつ)を踏まぬロングリリーフが果たせるだろうか。
天風録 中国新聞 2010年7月13日
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