農林水産省が今月から、広島市内の4生花店で始めた「花の保証」の実証事業だ。期間内なら新しい花と換えてもらえるとあって、店頭での評判は上々のようだ。これなら「すぐに枯らしてしまいそうで」とためらう向きにも買いやすい
総務省の調査では、家計から支出する切り花代はこのところ月千円以下。長引く不況で消費者マインドも「花どころではない」と冷え込みが続く。保証を呼び水に、何とか目を向けてもらおうとのアイデアだろう
「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」。作家の林芙美子が色紙などによく書いた言葉だ。手入れにもよるが、バラの寿命はせいぜい1週間という。こまめに水切りしたり茎を焼いたり。手間を惜しまなかった昔の知恵が思い出される
きのうの父の日、家族から黄色いバラを贈られた方もおられよう。黄色は、愛する人の無事を願う色とされる。働きづめのお父さんにとって、何よりの気掛かりは体と財布だろうか。せめてバラのような「保証」でもあったら…。
天風録 中国新聞 2010年6月21日
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