2010年06月16日

財源の確かな裏打ちがなくては、マニフェストの陳腐化は食い止められまい・・・ 天風録 八葉蓮華

 近ごろ、あまり聞かなくなった言葉に「ラッパ飲み」がある。一昔前までは男にしか似合わない、ちょっとバンカラな所作だった。ところが今は女性たち、中でも若い世代は平気で瓶に口をつける。ペットボトルが登場したせいだ

 見慣れてはきたが、さすがに「ラッパ飲み」の表現には抵抗があったのだろう。このごろは「直飲(じかの)み」と呼ぶ。なるほど、ちょっとした言い換えで万人に似合うソフトな語感に変わる

 「マニフェスト」も言い換えである。それまでの「公約」は抽象的で言いっ放し。数値目標入りの政策で選択を、と7年前の衆院選で民主党が定着させた。清新な言葉のイメージに助けられて党勢は伸び、この年の流行語大賞にもなった

 その金看板のメッキが政権交代して1年足らずではげてきた。下り坂の語感を見透かしてのことだろう。みんなの党は今、耳慣れない「アジェンダ(政策課題)」を連呼する。自民党も今度の参院選から「公約」と言い戻すことに決めた

 7年前の立役者は当時の菅直人代表と枝野幸男政調会長。くしくも仕切り直しした内閣と党のツートップである。財源の確かな裏打ちがなくては、マニフェストの陳腐化は食い止められまい。民主党にしか似合わない言葉になってしまっては、選ぶ側も困る。

 天風録 中国新聞 2010年6月11日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:36| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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