見慣れてはきたが、さすがに「ラッパ飲み」の表現には抵抗があったのだろう。このごろは「直飲(じかの)み」と呼ぶ。なるほど、ちょっとした言い換えで万人に似合うソフトな語感に変わる
「マニフェスト」も言い換えである。それまでの「公約」は抽象的で言いっ放し。数値目標入りの政策で選択を、と7年前の衆院選で民主党が定着させた。清新な言葉のイメージに助けられて党勢は伸び、この年の流行語大賞にもなった
その金看板のメッキが政権交代して1年足らずではげてきた。下り坂の語感を見透かしてのことだろう。みんなの党は今、耳慣れない「アジェンダ(政策課題)」を連呼する。自民党も今度の参院選から「公約」と言い戻すことに決めた
7年前の立役者は当時の菅直人代表と枝野幸男政調会長。くしくも仕切り直しした内閣と党のツートップである。財源の確かな裏打ちがなくては、マニフェストの陳腐化は食い止められまい。民主党にしか似合わない言葉になってしまっては、選ぶ側も困る。
天風録 中国新聞 2010年6月11日
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