2010年05月30日

誇りと平和への願いがこもる「万国津梁の鐘」あらゆる国への懸け橋・・・ 天風録 八葉蓮華

 「普天間」の問題でおととい、首相と知事が顔をこわばらせて向き合った沖縄県庁の知事応接室。ひときわ存在感を示す漢文のびょうぶに気付いた人も多いだろう。首里城正殿にかかっていた「万国津梁(しんりょう)の鐘」の銘文を写した書と知った

 15世紀半ば、琉球国の尚(しょう)泰(たい)久(きゅう)王が造らせた鐘という。津梁には橋渡しの意味がある。明(中国)と日本の中間に位置するあこがれの島、琉球。船でアジアの国々と交わり、あらゆる国への懸け橋となろう。そんな気概が伝わってくるようだ

 その名を冠した施設がある。10年前の沖縄サミットで主会場になった名護市の「万国津梁館」だ。知事との会談後、市町村長との懇談でこの館に赴いた首相。「最低でも県外」と約束しながら、豹変(ひょうへん)した「君子」に市民から「帰れ」の声が飛んだ

 銘文に「日本とは唇と歯のように寄り添う」というくだりも見える。しかし薩摩藩の侵攻や明治政府による日本への併合、沖縄戦、米国の軍政、そして今回…。かの地の人からすると、果たして助け合う関係だったのかどうか

 くだんの鐘は国の重要文化財に指定され、県立博物館にある。痛々しい銃弾の跡も残っているという。県民の誇りと平和への願いがこもる鐘。橋を懸ける相手は米国だけでないことに思いを致したい。

 天風録 中国新聞 2010年5月25日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:52| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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