その国で来月、サッカーのW杯大会が幕を開ける。肌の色での差別は薄らぎつつあるという。「和解の呼び声が鳴る/われらは団結して立つだろう」。そんなふうに誓う、新しい国歌が満員のスタジアムにこだまする日はもうすぐだ
歌詞には、黒人解放の運動で歌い継がれてきた賛美歌や元の国歌を織り交ぜている。心の隔たりを埋めるシンボルといえようか。27年間もの捕らわれの身から大統領に選ばれるまで、辛抱を重ねたネルソン・マンデラ氏(91)ならではの知恵である
反アパルトヘイトの闘いは「歌の力で実現した革命」とも評される。口ずさむことで団結し、勇気を奮い立たせ、人々は銃や戦車に立ち向かった。歌は剣よりも強し―。氏はそれを肌身で知る一人に違いない
ただ、W杯の準備は鼻歌交じりで、とはいかないようだ。「犯罪大国」の汚名返上なるか、施設整備は間に合うか…。外国から不安の輪唱が聞こえてくるが、答えは「大丈夫」。マンデラ氏の言葉には「実現するまではそれが不可能にみえる」というのもある。
天風録 中国新聞 2010年5月19日
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