2010年05月18日

全国から集まった「1000人のチェロ・コンサート」聞く方も弾く方も癒やされる・・・ 天風録 八葉蓮華

 宮沢賢治の宝物はチェロだった。古里の岩手県花巻市で童話や詩を書いていたころ、お世辞にも上手といえない音色を日夜鳴らしたという。そんな体験を基にしたのが「セロ弾きのゴーシュ」

 賢治を思わせる主人公は、楽団で怒られてばかりの演奏家だ。毎晩やってくる動物にせがまれてチェロを弾く。「ごうごうひびく」音。いつしか動物たちの病気を治し、自分も腕を上げていく。賢治はチェロの持つ不思議な力を感じ取っていたに違いない

 「人間のような楽器」と例えられる。低く落ち着いた調べは男性の声域に似ているそうだ。語りかけるような深みのある音に、聞く方も弾く方も癒やされる。華やかにメロディーを奏でるバイオリンとは対照的でもある

 アカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」でも、元チェリストの納棺師が美しく穏やかな旋律を聞かせる。シと向き合う意味や人生にとって大切なものは何か、考えさせられた人も多かろう。命を響き合わす楽器なのかもしれない

 そんな魅力を存分に味わえる「1000人のチェロ・コンサート」が16日に広島で開かれる。阪神大震災の慰霊と復興のため12年前に始まり、初めて被爆地が舞台になる。全国から集まったゴーシュたちは、どんな音色を響かせてくれるだろうか。

 天風録 中国新聞 2010年5月14日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:32| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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