2010年05月14日

「胸中に成竹あり」先を読み、念入りに準備して物事に臨む・・・ 天風録 八葉蓮華

 先はとても軟らかい。繊維質いっぱいの根元のシャリシャリ感もこたえられない。木の芽あえ、若竹煮…。タケノコは行く春の味覚だろう。いつもより寒かったせいか、今も店先に並ぶ

 掘り出すとなると意外に難しい。先がちょっとのぞいたぐらいが旬という。地中に埋まる部分を傷つけないよう、慎重にクワを打ち込む。力任せでは、せっかくの季節の贈り物を傷つけてしまいかねない

 旬を逃せば、あっという間に大きくなる。若竹の育つ速さは目を見張るほどだ。中国に「胸中に成竹あり」との故事成語がある。北宋の時代、墨竹画を得意とした画家の文同は、節や葉の成長ぶりを日ごろからよく観察していた。筆を執る前に成竹の姿を思い浮かべ、一気に描き上げたという

 これが転じ、先を読み、念入りに準備して物事に臨むとの意味である。さて普天間基地の問題で、鳩山由紀夫首相は「成竹」を胸中に描いていたのだろうか。腹案といっても、まだ節も葉の位置も見定められないような姿ではないか

 政府はきょうにも、移設の原案を確認する。今月末の期限を前に、動き始めた首相。そのたびに、沖縄でも徳之島でも、住民の心中に埋もれていた不信感や怒りの数々がにょきにょきと大きくなる。解決の旬はいつになったら訪れるのか。

 天風録 中国新聞 2010年5月10日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:28| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。