コートを着たり脱いだりしたと思えば、半袖を引っ張り出す。めまぐるしい寒暖の差に体がついていかない。そう感じるのは人間だけでないようだ。先月「ばらのまち」の福山市では、つぼみが小さく、花芽も付かない枝に案じる声が上がった。「バラが風邪をひいたのでは」
人間なら温かくしてゆっくり休めばよかろうが、そうもいかない。今月15、16日には福山ばら祭がある。小さな花芽を摘み、残るつぼみに栄養を回す「外科治療」が主会場のばら公園で施された。その後は温室のようなポカポカ陽気になり、少しは元気を取り戻したようだ
去年までは春先から暖かい日が続き、早く咲き過ぎて気をもませた。それだけに4月の天候不順に虚を突かれた格好だ。市民が世話する花壇のコンクールはきょうから。審査員は咲きそろった様子を想像しながら点をつけるという
街に潤いを、と市民が栽培を広めて半世紀。今年の祭のテーマは「笑顔咲き 出逢(あ)い花咲く」。ハラハラさせ、手間を掛けさせるから余計に美しく見える。それもバラの魅力なのかもしれない。
天風録 中国新聞 2010年5月7日
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