2010年05月06日

第二の「故郷」さりげなく金光の地名をしのばせた作品も少なくない・・・ 天風録 八葉蓮華

春の叙勲を受けた脚本家の倉本聡さん(75)には、忘れられないにおいがある。鉄鍋で煮えたぎったみそ汁と、父親が採ってきたツクシやゼンマイを放り込んだ時に漂った芳香だ。東京で暮らしていたころとは見違えるような、父親のたくましい姿も重なる

 10歳の時、縁を頼って疎開した岡山県の金光町(現在の浅口市)。朽ちかけた家に親子5人が身を寄せ合った。都会育ちの幼い兄妹が父親と田舎の廃屋に移り、成長していく…。代表作の「北の国から」は疎開先での体験が基になったという

 北海道の大自然の中で役者や脚本家を育ててきた「富良野塾」の出発点も金光にあったようだ。海から少し入った、なだらかな丘にはさまれた谷あい。気候こそ違うが、30年余り前に居を移した富良野の地に通じているのかもしれない

 さりげなく金光の地名をしのばせた作品も少なくない。地元の公民館で昨年末から、倉本さんが書いた原稿や本を展示している。「金光のことは忘れたことがありません」と伝えた手紙もある。第二の「故郷」になっている

 飢えと闘った疎開の日々にすすった汁の味、火のはぜる音、目に染みる山菜の緑。生きている幸せを感じたに違いない。五感を研ぎ澄ます倉本さんの信念は、そこから生まれたのだろう。

 天風録 中国新聞 2010年5月1日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:13| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。