10歳の時、縁を頼って疎開した岡山県の金光町(現在の浅口市)。朽ちかけた家に親子5人が身を寄せ合った。都会育ちの幼い兄妹が父親と田舎の廃屋に移り、成長していく…。代表作の「北の国から」は疎開先での体験が基になったという
北海道の大自然の中で役者や脚本家を育ててきた「富良野塾」の出発点も金光にあったようだ。海から少し入った、なだらかな丘にはさまれた谷あい。気候こそ違うが、30年余り前に居を移した富良野の地に通じているのかもしれない
さりげなく金光の地名をしのばせた作品も少なくない。地元の公民館で昨年末から、倉本さんが書いた原稿や本を展示している。「金光のことは忘れたことがありません」と伝えた手紙もある。第二の「故郷」になっている
飢えと闘った疎開の日々にすすった汁の味、火のはぜる音、目に染みる山菜の緑。生きている幸せを感じたに違いない。五感を研ぎ澄ます倉本さんの信念は、そこから生まれたのだろう。
天風録 中国新聞 2010年5月1日
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