相手が女性や老人だと近づいても逃げない。家に上がり込み仏壇の鈴をチーンと鳴らしていた。鉄砲を構えると手を合わせて命ごいをする。電気柵のスイッチを切ったとの伝聞情報まで。サルの悪さについて語る人はなぜか多弁になる。そして大抵、「やれやれ」で話は終わる
爆竹などを鳴らしても効果は一時的。人に似ており、攻撃するのもはばかられ、根負けしがちだ。そんなサルの被害が全国の山里で目立ち始めたのは1970年代ごろ。奥山に人工林が増え、餌が減ったせいもあろう
集落から人影が減ったことも無関係とはいえないようだ。「誰かがごそごそしとればサルも出てきにくいのに」と友人は言う。自分の領分が増えたと、サルの側は勝手に思いこんでいるのかもしれない
農山村は今や、ゲリラ戦法が得意なサルの勢力圏だ。防止ネットは敵陣の中の孤塁にすぎまい。もっと人影を増やせないものか。都市住民を巻き込んでの「集団的自衛権」が行使できれば心強い。
天風録 中国新聞 2010年3月23日
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