ここにきて基準自体が揺らいでいる。厚生労働省の研究班が中高年3万人を調べた。確かに男女とも腹回りが大きい人ほど、生活習慣病になる割合も上がる。ただ、はっきりした危険ゾーンの線引きはできなかったという
2年前に始まったメタボ健診は、病気になる手前で見つけ食い止める。ただ当初から「健康な人を病人扱いする」「太ってないのにリスクが高い人が見逃される」と異論も。数字に一喜一憂させられたのは何だったのか。恨み節が聞こえてきても不思議でない
線引きといえば、体格や病気の有無を調べる戦前の徴兵検査が思い浮かぶ。明治初めの身長の合格基準は5尺1寸(約154・5センチ)。その後、徐々に緩められていった。国民の体格が変わったわけではなく、兵士の員数確保のためだった
健康の物差しは時として、その国の意図や関心を映し出す。医療費を減らす狙いも透けて見えるメタボ健診。「体脂肪 燃やして発電 出来ないか」。そんな太っ腹な気持ちで受けてみようか。
天風録 中国新聞 2010年3月11日
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