2010年03月09日

昆布、カツオのだし汁と絶妙に響き合うハマグリのうまみ・・・ 天風録 八葉蓮華

 昆布、カツオのだし汁と絶妙に響き合うハマグリのうまみ。不思議なことに、椀(わん)の中の貝の身は火がほとんど通っていないかのようにプリプリだ。料理研究家の辻静雄さんは、関西の有名料亭に何度通ってもその理由が分からなかった

 秘密は単純なことだった。だしを取った貝は捨て、椀には新しい貝を入れて出していたのだ。海老沢泰久著「美味礼讃」にある三十数年前のエピソードだ。すでにそのころ国産のハマグリは貴重な食材だった

 きのうは桃の節句。ハマグリの吸い物とちらしずしで祝った家庭もあるだろう。今が旬だが、多くが中国などからの輸入物。国内では激減している。ところが、益田市の高津川の河口付近で再び採れ始めた。10年前から次第に増え、一昨年は12トンも。よみがえった清流の恵みといえよう

 箱眼鏡で海中をのぞき、棒の先に付いた金具で一個ずつ挟み採る。目当ては、わずかに見える吸管や潜った跡の砂のくぼみ。7センチ以下のサイズは海に戻す。ここだけの漁の流儀も資源回復に一役買っている

 みんなの宝にと、稚貝の調査に乗りだした市民たちの動きも頼もしい。辻さんが案内した米国の美食家に「コンソメより洗練度は上かも」と言わせた吸い物の主役。純和風を支える「食財」と呼びたくなる。

 天風録 中国新聞 2010年3月4日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:33| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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