江田島以北に浮かぶ5千台余りのいかだ。そのエリアの海水が2週間もあればろ過し尽くされる計算になる。陸から海に流れ出た栄養分を、水揚げを通じて再び陸へ戻す。排せつ物を差し引いても、カキのおかげで大阪湾ほど汚れずに済んだとみる研究者がいる
いかだの間を縫うように網を引くのはナマコ漁だ。いかだの下は小魚の格好の隠れ家や餌場に。稚ナマコもくっついてすくすく育つ。100万を超す大都市のすぐ地先で今もいろんな漁ができる。豊かな海の秘密は実はカキいかだにあった
東京都も目を付けた。お台場の浅瀬にカキいかだを据えると、周りの海水が澄んできた。都民にその浄化実験を公開する。「もっと海のことを知りたい」という声が出た。人を海に近づける力もあることに気付かされる
「里海」という言葉がある。里山のように、人手を加えながら海の幸を持続的に活用しようとの考え方だ。プリプリのカキを含むと、口に広がる旬の味わい。里海の恵みがちょっぴり誇らしい。
天風録 中国新聞 2010年1月21日
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