政権自体が経験も浅く、軽い。そこに重鎮がいるだけで地に足が着いている安心感を与えた。実際、これまでの実績を生かし、何とか年内に予算案を取りまとめる。体調不良を理由に退きはしたが、底力はしっかりと発揮した
新政権はまた、喜寿の力を借りようとしている。実業家の稲盛和夫さん。行き詰まった日航の立て直しにお出ましを、と声を掛けた。京セラやKDDIを育てた、財界では数少ない民主シンパ。老練さを加えたベンチャー精神によほど期待したとみえる
77歳の人が生まれた1932年といえば、世界恐慌の3年後。物心ついたころには戦争が始まっていた。空襲や疎開、引き揚げ…。すさまじい時代を生き抜いてきた世代である。腰の据わり方が違うのかもしれない
「不安を生きる力にする道を探したい」と、やはり喜寿を迎えた作家の五木寛之さんが書いている。こんな時代だからこそ身を縮めるだけでなく、もがいてみよう。「それこそ命が動いている、生きることそのもの」。大先達の存在と言葉に励まされる。
天風録 中国新聞 2010年1月13日
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