パレスチナ自治区のガザは、今も治安が悪く近寄れない。そこは避け、ユダヤ、キリスト、イスラム3宗教の聖地エルサレムやシ海周辺など「聖書の世界」を巡った。メディアから流れてくるイスラエル情報の大半は紛争だ。しかし、思ったより安全で、ヒヤッとする場面は一度もなかった
パレスチナ住民を追い出し、62年前に建国したイスラエル。アラブ諸国への度重なる攻撃は「自国を守らなければ」という過剰なまでの強迫観念のように見える。残るのは憎しみの連鎖だけである
ジャーナリストの土井敏邦さんはその紛争を長年取材し続けている。土井さんが制作したドキュメンタリー映画「沈黙を破る」を昨秋、広島で見た。イスラエル軍の破壊とサツりくの実態、そして占領地に送られた元兵士が「ゲームのように」行ったギャク待や略奪を告白する内容だ
土井さんは「戦争や占領は、被害者だけでなく加害者も“壊す”」と訴える。加害の側から上がってきた声は一つの光明だ。共存にはいい見本がある。建国以後も、異なる教徒がすみ分けてきたエルサレムの街である。
天風録 中国新聞 2010年1月11日
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