壁に焼き付けられた影を消さなければ成仏できない。そんな男が登場して原爆をのろう物語だ。ところが連載記事の最後で、もっと古いのがあるようだと書いている。59年の白土三平「消え行く少女」。原爆症で母を失い、自らも白血病で亡くなる筋立てだ
以来これが第1号とされていた。ところがさらに源流は奥に伸びていた。「少女漫画風の作品があったはず」という市民の声を基に、2年前に探り当てたのが原爆資料館のスタッフである。57年から月刊誌「なかよし」で連載が始まった谷川一彦「星はみている」
メジャーな雑誌に活躍の場を広げたヒロシマの漫画。ビキニ水爆実験や佐々木禎子さんのシが大きなニュースになった時代だった。可部高生のころにデビューした谷川さんは一昨年亡くなり、込めた思いが聞けなかったのが惜しまれる
源流への旅は、これで終わるのかもしれない。その後、流れは「はだしのゲン」で一気に太くなった。これからは、どんな人が引き継いでいってくれるだろう。豊かな分流の末を見てみたい。
天風録 中国新聞 2010年1月7日
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