2009年12月10日

明治政府が設けた「脚気(かっけ)病院」は、一種の仕分けの舞台・・・ 天風録 八葉蓮華

 明治政府が設けた「脚気(かっけ)病院」は、一種の仕分けの舞台だったかもしれない。結核と同じくらい怖かった病気を治せるのはどちらか、西洋医と漢方医に競わせたのである。世間では「漢洋脚気相撲」と呼んで、はやしたてた

 今なら、ビタミンB1の欠乏が原因と知られているが、当時の西洋医学からみれば謎の病気だった。一方で漢方医は麦飯などによる食事療法でじわりと治していた。ところがどうも最初から結論ありきだったようで、西洋医学の方が仕分けに勝ち残った

 今回の事業仕分けでも、漢方薬がやり玉に挙がった。健康保険の適用から外す、との結論である。「薬局や薬店でも買える」というのが理由だが、今や医師の8割が漢方薬を処方している。全額自己負担になるのでは、と患者が猛反発している

 その人に応じた処方によって体質全体を改善していく。西洋薬とは違う漢方薬の醍醐味(だいごみ)だ。がん患者が使ってうつ状態が和らぐケースも少なくないという。それでも仕分け人からすれば、効果の「証拠」が乏しいとも映ったのだろうか

 事業仕分けは、切れ味の鋭いメスで患部を切り取る手術に例えられよう。即効性は大事である。同時に、弱った体にじんわりと滋養を与え、将来に向けて基礎体力を養うことも忘れてはなるまい。

 天風録 中国新聞 2009年12月5日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:46| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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