持ち場が異なる役所や団体の垣根を払ったのは、年越し派遣村の元「村長」で内閣府参与になった湯浅誠さんの提唱という。窓口でかいがいしく応じる多くの職員が頼もしく見えた。ハローワークを視察した前首相の的外れな発言ばかり目立った昨年末が、ひと昔前のようだ
「ワンストップ」なら、古里の街で失業中の父に連れられて通った半世紀近く前の職業安定所を覚えている。窓口近くの食堂や理髪店はわいわいがやがや。家での麦入りと違い白米のご飯を腹いっぱい食べ、くりくり頭になるのが心地よかった
同じ敷地の宿泊所を含め、いずれも失業者向けには割引料金。土木工事などをその場で紹介する。戦後復興から高度成長に入るまでの時代。失業者を救うため、行政が施設などに助成して、必要な手だてを1カ所にそろえていた
ワンストップに共通するのは行政の温かさではないか。派遣村の手法を取り込んだ新政権のハローワークにも、一層のぬくもりが欲しい。誰もが、いつまた世話になるかもしれない窓口だから。
天風録 中国新聞 2009年12月2日
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