40年近く前、担任した小学6年のクラスにインドネシアからの転校生がいた。バスケットボールが得意。黒人は少数派だったが、白人や日系人の級友にすぐなじんだ。「バリーは笑顔がとても印象的だった」。バラク・オバマその人である
モリオカさんも、祖父母が広島、山口県から海を渡って来た日系3世。さまざまな文化や価値観の養分が教室で混ざり合い、バリーは存分に吸収したに違いない。先週末、東京で宣言した「米国初の太平洋大統領」という発想もその果実だろう
上海の大学生には「わが事だけでなく広い視野を」と語りかけたオバマ大統領。パートナーという言葉で、経済成長目覚ましいアジアの輪に加わろうとする。ただ失業率が10%を超す自国では保護主義が台頭しかけ、互恵の先行きも綱渡りになりそうだ
モリオカさんは、岩国市の親類宅に里帰り中だ。テレビで教え子を見守り、昔と変わらぬ笑顔を確かめる。さらに果実を欲張れば「平和な世界」と、迷わず言い切る。
天風録 中国新聞 2009年11月18日
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