「鼻が長い」とからかわれた子ゾウは「母さんもだよ」と答える。あるがままの自分を受け入れ、生まれ出た喜びを歌っているのだという。そういえば、まどさんの作品の多くは、蚊やアリといった小さな命が主役だ
ムクゲの種の産毛、薬箱の絵…。幼いころ、まどさんがじっと目を凝らしたのは、道ばたや部屋の片隅に埋もれたものだった。そんな「発見」を書き始めたのが19歳のころ。以来、世に送り出した童謡や詩は2千編を超える
最近は自らの老いも格好のテーマになる。なかなかつめが切れないと思ったら、持っていたのはホチキス。「しげしげ眺めやると/ホッ チキショウメ!」。マイナスにとらえない。むしろ、へまを楽しんでいるようにも
先日、新しい詩集が書店に並んだ。「まあ/よくも/ここまで/生きてきた/もんだよなあ」。心からの実感なのだろうか。今も病院のベッドで、日記帳につづったり絵を描いたり。老いゆく自分も、あるがままに。きょう100歳を迎える。
天風録 中国新聞 2009年11月16日
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