2009年11月14日

どんなふうに生まれてもわが子「枯れ葉剤」化学兵器の害はひ孫の代まで及ぶ・・・ 天風録 八葉蓮華

 父親になったばかりというのに浮かぬ顔に見える。ベトナムの産婦人科病院で先月末に会ったドクさん(28)。腰から下がつながった双生児「ベトちゃんドクちゃん」と呼ばれていたころの天真らんまんな笑みは影を潜めていた

 やはり双子の赤ん坊は、早産で保育器の中。オギャーも寝息もガラスの向こうだ。「無事育っているか…」。不安とない交ぜの、親になった実感の薄さ。同じ未熟児を授かった父親として察するに余りある

 おまけにドクさんは枯れ葉剤被害者の2世とされる。ベトナム戦争中、猛毒のダイオキシンを混ぜて米軍がまいた化学兵器の害はひ孫の代まで及ぶという。しかし「どんなふうに生まれてもわが子」と夫婦で腹をくくり、人工授精に踏み切った

 あの面持ちは、家族を持った責任感ゆえかもしれない。日越両国の医師による分離手術まで一体だった兄ベトさんと、2年前にシ別した。一人きりの肉親でもあった「分身」の無念を胸に、世代をつなごうとしている

 2世までの被害者だけで400万人とも見積もられている。取材先の病院にも両腕や眼球がなく生まれた子どもが60人近く身を寄せていた。「真っ先に注目された私は長男みたいなもの」。ドクさんの「弟」や「妹」の存在も忘れるわけにはいかない。

 天風録 中国新聞 2009年11月8日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:18| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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