2009年11月07日

扇子をたたいて「はい、座布団1枚」笑わせるのが一番むずかしい・・・ 天風録 八葉蓮華

 テレビが出現したころ、噺(はなし)家(か)にとっては「天敵」だったかもしれない。それまで大入りだった寄席の客は、ごっそり奪われる。座っているだけで動きの少ない落語は、番組で取り上げてもらえない

 ならばと思い当たったのが「大喜利」のスタイルだ。出されたお題にいかに面白く答えるかを、何人かで競う。「笑点」はそれでヒットし、その後の噺家タレントブームにつながった。長く番組の顔だったのが、亡くなった三遊亭円楽さんだ

 「噺家なんてぇのはのんきな商売で」というのはよくあるマクラ。扇子をたたいて「はい、座布団1枚」とおちょぼ口で笑う円楽さんを見ると、いかにもそんなふうに見えた。しかし「実際はそうじゃあない。笑わせるのが一番むずかしい」(「圓楽芸談しゃれ噺」)

 テレビに出過ぎだとたたかれ、テレビと一時縁を切った時は「落ち目」と見られたりした。落語協会から離れて自前でつくった寄席の負担にも苦しんだ。のんき、どころではなかったと知る

 浅草生まれの江戸っ子。4年前に脳梗塞(こうそく)で倒れ、復帰した高座で「ろれつが回らない」と、その日のうちに引退を決めた。「江戸っ子が登場する落語をやってるんですから、そらあ、引き時を間違えちゃいけません」。人生の引き時はしかし、早すぎた。

 天風録 中国新聞 2009年11月1日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:16| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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