自然系博物館のない広島市で、市民団体が開いた1日限りの「出前自然史博物館」。一部は触ることもできる。縄文時代に埋まった木の輪切りや、アンモナイトの灰色の化石。太古にタッチしたような気さえする
「現物」に出合えるのが、博物館ならではの魅力だ。出雲市の古代出雲歴史博物館では、発見されたばかりの12万年前とされる旧石器が公開された。初日だけで千人以上が詰め掛けたという。苦労して加工したかもしれない石片を間近にした人は、どんな感想を抱いただろう
今やIT技術を駆使した「デジタルミュージアム」も登場する。パソコンさえあれば、精密で傷むことのない立体画像を見ることもできるようになった。データをもとに構成された仮想の像なのだが、ついそれを忘れそうになる
「自分自身の目で発見すること」。科学者の寺田寅彦が、俳句の師匠であった夏目漱石に教えられた、とつづっている。はるかな歴史の中に連なっている自分。現物とじかに向き合ってみると、そんな発見もある。
天風録 中国新聞 2009年10月14日
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