2009年10月20日

自分自身の目で発見すること「現物」に出合えるのが、博物館ならではの魅力・・・ 天風録 八葉蓮華

 1600万年前の中国山地は海で、鯨が泳いでいた。頭では知っていても、全長7メートルほどの化石を目の前にすれば、あらためて「ほう」と思う。象牙のようなあごやあばら骨。複製とはいえリアルで、圧倒される

 自然系博物館のない広島市で、市民団体が開いた1日限りの「出前自然史博物館」。一部は触ることもできる。縄文時代に埋まった木の輪切りや、アンモナイトの灰色の化石。太古にタッチしたような気さえする

 「現物」に出合えるのが、博物館ならではの魅力だ。出雲市の古代出雲歴史博物館では、発見されたばかりの12万年前とされる旧石器が公開された。初日だけで千人以上が詰め掛けたという。苦労して加工したかもしれない石片を間近にした人は、どんな感想を抱いただろう

 今やIT技術を駆使した「デジタルミュージアム」も登場する。パソコンさえあれば、精密で傷むことのない立体画像を見ることもできるようになった。データをもとに構成された仮想の像なのだが、ついそれを忘れそうになる

 「自分自身の目で発見すること」。科学者の寺田寅彦が、俳句の師匠であった夏目漱石に教えられた、とつづっている。はるかな歴史の中に連なっている自分。現物とじかに向き合ってみると、そんな発見もある。

 天風録 中国新聞 2009年10月14日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:21| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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