ボランティア主体の細々とした国内組織。開催地に名乗りを上げたくても、資金難や人手不足を考えればできっこない。「だからこそやらなきゃ。現状を変えるために」。立候補を勧める米国本部の会長の一言で流れが変わった
元首相夫人でそのころ理事長だった細川佳代子さんは言う。「反対意見はどれも正論。だけど夢がない」。限界を決めてしまえば、そこでおしまい。「ライバルはきのうまでの自分」。そんなスペシャルオリンピックスの考え方そのものが夢の実現をもたらした
被爆地広島と長崎が、20年夏季五輪の招致レースに参戦するという。頂点はとてつもなく高い。いくつかの都市との共同開催という道なき道。登山口さえ見つかっていない心境だろう
ノーベル平和賞をもらうオバマ米大統領でさえ「私の生涯の間には達成できないだろう」と言う核兵器廃絶。その夢の達成を、両市は五輪開催と同じ年に目指す。宿命のライバルは「できっこない」という現実論だ。「だからこそ」で流れを変えることはできるか。
天風録 中国新聞 2009年10月12日
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