いずれも秋祭りのアトラクション。各地でイベントが集中する夏を避け、オフを選んでの開催だ。澄んだ空気の中に咲く秋の花火は、昼の熱が冷めやらぬ夏の夕方とはまた違った味がある。物珍しさも手伝っての人出。狙いは当たったようだ
夏の終わりの日本に打ち上がったでっかい花火は、もちろん新政権である。大向こうの観客に示したマニフェストに沿って次々に打ち出される政策は、色も形もこれまでとはずいぶん違う。見ていて飽きない
金子みすゞに「わらい」と題した詩がある。「それはきれいな薔薇(ばら)いろで…ぱっと花火がはじけるやうに、おほきな花がひらくのよ」。よくぞ打ち上げてくれた、と笑顔の人もいよう。だが火の粉がかかれば、痛みを受ける人もいるはずだ
くっきりしている分、消えた後はかえって寂しい。秋の花火には、はかなさも漂う。新政権の政策も、ぱっと上がって後が続かないのでは、見る方はがっかりする。観客を引き込むような仕掛け花火も準備中なのだろうか。
天風録 中国新聞 2009年10月11日
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