2001年秋から1年間、水面下で重ねた交渉は二十数回。小泉純一郎首相の動静欄に田中局長は88回登場する。田中さんも金正日(キムジョンイル)体制内での高官の力を目の当たりにした。そんな信頼関係が02年の日朝平壌宣言に実を結ぶ。退官した田中さんが著書「外交の力」で明かした
渡米した鳩山由紀夫首相。米国流グローバリズムを批判した論文が一時は波紋を広げた。電話でオバマ大統領に呼びかけた未来志向の関係を築くための会談。まずは首脳間の信頼関係づくりだろう
「対等な日米関係」の速やかな実現は容易ではあるまい。ただ、外交交渉はギブ・アンド・テーク。日朝交渉でも北朝鮮は拉致を認める一方、日本からの経済協力を見込んだ。交渉の時間軸を広げ、一得一失をパッケージにした「大きな絵」を描く。田中さんが汗をかいた点だ
鳩山首相の「友愛外交」は究極の大きな絵だろう。惜しむらくは漠としている。志を理解する外交官をえりすぐり、下絵をキャンバスにどう描くか。
天風録 中国新聞 2009年9月22日
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