もてなしの心も「味見」できますか、というのが老舗側の言い分らしい。掃き清め、打ち水をした玄関や庭。勝手知ったる客好みの味加減…。あの「一見(いちげん)さんお断り」も客の満足を思うがゆえの知恵、とも。万人受けが命のガイドブックとは対極にある
逆に、その「ミシュラン」で日本の良さを見直すこともある。2年前に選ばれた新シリーズの名所編。京都や富士山と並び、安芸の宮島が「必見」の三つ星ランクに挙がった。フランス語版に続いて、英語版も出回っている
おかげで「ミシュラン」片手に宮島へ渡る欧米人が増えている。海中ににょきっと立つ朱色の大鳥居。潮に洗われたかと思えば、海の底が現れる。待ち遠しいのか、満ち引きの時刻をよく尋ねてくるそうだ
海岸やベンチで日暮れまで居残り、景色を味わっているのはたいてい外国人という。確かに地元の感覚では宮島は日帰りコース。夕焼けまで堪能する人は少なかろう。異国の「一見さん」から学ぶものもありそうだ。
天風録 中国新聞 2009年9月14日
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