2009年09月13日

介護疲れ「私の中のあなた」家族の心までは目が届きにくい・・・ 天風録 八葉蓮華

 11歳の女の子が、一人で弁護士事務所を訪れる。姉への腎臓提供を求められているが嫌だ、両親を訴える―という。弁護士は記録を見て驚く。妹は、生まれた時から何度も、骨髄移植などのため手術を受けていた

 「白血病の娘を何とか生き延びさせたい」と両親は願った。そこで、臓器提供できるよう、遺伝子操作でドナーに適した妹が生み出されたのだ…。そんな衝撃的なストーリーの米国映画「私の中のあなた」の試写会が、広島市であった

 同名小説の映画化で、いかにも訴訟の国らしい設定だ。日本でも臓器移植法が改正され、来夏からは脳死が人の死となり、家族の承諾があれば15歳未満でも臓器提供ができるようになる。映画に似たようなことが将来起きないとは言い切れまい

 体の自由を奪っていく病気。本人だけでなく、寄り添う親やきょうだいの生活まで変える。映画は、それぞれの思いで支え合うシーンを描く。「家族の心までは目が届きにくい」。支援活動をしてきた人の言葉を思い出す

 山口地裁できのう、介護疲れから寝たきりの妻を殺害しようとした夫への温情判決があった。評議した裁判員も、いつ同じ境遇になるかもしれない。「私の中のあなた」を心から受け止めたのだろう。それで救われる人生がきっとある。

 天風録 中国新聞 2009年9月10日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。