「白血病の娘を何とか生き延びさせたい」と両親は願った。そこで、臓器提供できるよう、遺伝子操作でドナーに適した妹が生み出されたのだ…。そんな衝撃的なストーリーの米国映画「私の中のあなた」の試写会が、広島市であった
同名小説の映画化で、いかにも訴訟の国らしい設定だ。日本でも臓器移植法が改正され、来夏からは脳死が人の死となり、家族の承諾があれば15歳未満でも臓器提供ができるようになる。映画に似たようなことが将来起きないとは言い切れまい
体の自由を奪っていく病気。本人だけでなく、寄り添う親やきょうだいの生活まで変える。映画は、それぞれの思いで支え合うシーンを描く。「家族の心までは目が届きにくい」。支援活動をしてきた人の言葉を思い出す
山口地裁できのう、介護疲れから寝たきりの妻を殺害しようとした夫への温情判決があった。評議した裁判員も、いつ同じ境遇になるかもしれない。「私の中のあなた」を心から受け止めたのだろう。それで救われる人生がきっとある。
天風録 中国新聞 2009年9月10日
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