2009年09月12日

人里の鳥「心の友」スズメがこの20年で5〜8割減ったという・・・ 天風録 八葉蓮華

弱っているのを保護されたのが3カ月前。今では店の中を飛び回り、お客さんの頭にちょこんと止まったりする。本紙の広島市民版に載ったスズメの写真につられて中区の理容店を訪ねた

 「チューピーちゃん、おいで」。親代わりの岡野香さん(67)が声をかけると、広げた新聞紙にやってくる。首をかしげ、黒い目をしばたたき、あくびをする。かわいらしく、見ていて飽きない

 スズメはイネ科の植物が大好きだ。人が耕地を広げると、わっと集まってくる。巣も木造家屋のすき間にちゃっかりと。大昔から「人里の鳥」である。その近さのゆえか、人もまたやるせない時、スズメに自らの気持ちを託してきた

 「我と来て遊べや親のない雀(すずめ)」と詠んだ小林一茶。幼くして母を失い、寂しさを抱えていた人だ。「雀を思うと涙がながれます」と書いたのは北原白秋。夫婦仲のよくない親と暮らす気まずさ、その日の米にも事欠く情けなさ。慰めてくれたのは「茶色の小坊主」の無心な姿だった

 スズメがこの20年で5〜8割減ったという調査が出たのは今年の初め。山里の荒れとも関係あるのだろうか。日本人の「心の友」がピンチだとすれば大変なこと。政界ではハトの動静に注目が集まっているが、自然界のスズメの行方にも無関心ではいられない。

 天風録 中国新聞 2009年9月9日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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