関ケ原の戦いで西軍の総大将。広島城を明け渡し、防長2カ国に押し込められる。8カ国の大大名から徳川家康の顔色をひたすらうかがう立場へ。敗者の悲哀を、近衛龍春さんの小説「毛利は残った」は描く
家康は容赦ない。財政難と知りながら、幕府の工事の手伝いを相次いで命じた。それでも「石にかじりついても絶対に毛利は潰(つぶ)さん」と輝元。家臣団は結束する。倹約に新田開発にと踏ん張り、どん底からの再生を果たした
政権選択の関ケ原から1週間。自民党も、「3分の1」の憂き目にあった。「せめて再生の理念を」と若手が声を上げても、首相指名選挙に「白紙」で臨むかどうかまとまらない。失業した数百人の秘書の行方も宙に浮く
毛利は屈辱をバネに反逆のエネルギーを持続できた。260年後の明治維新でリベンジを果たす。政権交代を担ったのは志ある若者たちだ。自民党では相も変わらず派閥幹部がけん制し合う。「自民は残った」と言えるよう、世代交代のエネルギーを引き出せるかどうか。
天風録 中国新聞 2009年9月7日
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