関東平野の群馬県館林市をおととい、竜巻が数キロにわたって駆け抜けた。民家の屋根を吹き飛ばし、駐車場に並んだ車を転がせた。けが人も出た。先週は美作市で車を100メートルも飛ばした風に驚いたばかりである
鴨長明が恐ろしい「辻風」を「方丈記」に書いたのは800年前。本場米国ほどではないが、日本でも昔から起きていたようだ。最近は、どうも規模が大きくなっている気がする。3年前には宮崎県で3人、北海道では9人も亡くなった
巨大な積乱雲がわき立ち、上昇気流が生まれる。それが何かのきっかけで渦を巻き始め、竜巻になるという。地上付近に生じるのはある種の空白。ちょうど強力な掃除機のようにさまざまなものを吸い込み、持ち上げるらしい
ドロシーの家は壊れずに済んだが、現実はこうはいかない。急激に巻き上げられたものは、最後には地上にたたきつけられる。そういえば米国発のマネーの竜巻もそうだった。気象にしても経済にしても、気流は緩やかな方がいい。
天風録 中国新聞 2009年7月29日
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