監督は広島市出身の西川美和さん。前作の「ゆれる」は国内の賞を総なめするほどだった。ところが本人は、評判が広がるほどに居心地の悪さを感じていたという。「世間が、偽者の私にだまされているような気がして」
自分はとても、言われるような「大器」とは思えない。買いかぶられている。ずれを感じてゆれる心。そこから浮かんだのが「偽者」をテーマにする次の映画のアイデアだった
センセイと呼ばれる職業がある。医師がそうだし、教師もその代表格。資格をとれば、新米でも一人前に扱われる。ただそれだけに自分の未熟さに何度も冷や汗をかき、そこから「本物」になろうとするエネルギーも生まれるのだろう
頼りにされた映画の偽医者と比べるのも詮(せん)ないが、資格がありながらそれに値しないようなセンセイもいる。教え子へのわいせつ行為など考えられないような教師の事件が、広島県で相次いでいる。私は世間をだましていないか…。さまざまな職種のセンセイに、西川監督の自問を届けたい。
天風録 中国新聞 2009年7月27日
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