ヨーロッパ生まれの手法だけではない。日本発といえば「KJ法」。こちらは小さいカードを使う。設定されたテーマをめぐり、思いつく限りの事柄を何十枚も書き出す。その次には似たカードを小グループに分けて見出しを付ける
見出し同士を統合していくうち、思わぬ「答え」にたどり着くのが妙味。内外にブームを起こし、新人研修の合宿でも盛り上がった記憶がある。この考案者が、亡くなった文化人類学者の川喜田二郎さんだ
「アテハメ主義」を嫌っていた。学者はつい、通念や理論の枠の中に現実を押し込めようとしがち。それは本末転倒だと。「現場のデータや情報に語らせよ」という主張と、1枚のカードから始める手法は同じ根のようだ
世界にもさまざまな通念がはびこっている。「核兵器は戦争を抑止する」とか「少数民族は独立できない」とか。人々がカードに思いのたけを書きKJ法でまとめたら、出てきた答えにハッと我に返るような指導者が現れたら…と夢想をしてみる。
天風録 中国新聞 2009年7月11日
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