見慣れた周南地域のコンビナート群を、あらためて眺めてみる。そう言われれば、むき出しの造形には構造的な美しさがある。昼間はそっけないけれど、夜は照明に映えて色っぽさを増す
こうした風景を熱く語るブログがある。思いが込められた写真集が、書店に並ぶ。こんな動きに乗った「産業観光」も盛んになっているようだ。周南地区一帯では、夏休みに工場巡りツアーが計画されている
「萌え」の対象は、過去の「産業遺跡」にも向かっているようだ。「軍艦島」と呼ぶ方が通りがいい長崎市の端島。35年前に閉じられた炭坑で、春に初めてツアー客が上陸した。写真で見ると極め付きの「職住一体」。その機能的な風景は、現代アートの趣さえ漂わせる
「コンビナート」と「廃虚」。いかにも妙な取り合わせだが、共通点が案外多いことに気づく。独特の存在感がありながら、人のにおいが希薄だ。近づきがたい。というよりちょっと怖い。そしてこれまでの固定観念から離れてみれば「美しい」と。
天風録 中国新聞 2009年6月20日
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