もちろん当時の徳目は「不言実行」。黙々とわが信じる道を行く。ああする、こうするなどと大風呂敷を広げないのがよしとされた。その時代を背景にしたからこそ、山陽のキャラが立ったのだろう
時は移り、今は「有言実行」がもてはやされているようだ。やるぞと宣言し、自分を追い込む。周囲に触れ回った手前、こっそりとはやめられない。禁煙にもダイエットにも使えそうだ。広辞苑の最新版にも、新語として採用された
サッカー日本代表のあれは有言、不言のどちらだったのだろう。Tシャツにプリントされた「世界を驚かす覚悟がある」。目標というにはあやふやだし、日本語だから世界に向けたメッセージとも思えない。としたら「半言」?
見延さんは、山陽にこう語らせている。「人生とは夢を実現する舞台じゃ」。W杯の夢の舞台まで、残り1年を切った。値千金のゴールは家1軒どころではなかろう。山陽の向こう意気に倣って「世界の度肝を抜くぞ」くらいのはったりを聞いてみたい。
天風録 中国新聞 2009年6月14日
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