速球で鳴らした元広島の左腕川口和久さんはかつて、こう言った。「三振こそ投手の華」。バックを信頼して打たせて取るのではなく、一人で勝負する。「技巧に走れば僕が僕でなくなる」と美学を押し通した
「フォワード(FW)はエゴイストたれ」。日本サッカー協会名誉副会長の釜本邦茂さんの口癖だ。メキシコ五輪で得点王に輝いた名ストライカー。FWは点を取ってなんぼ、シュートだけ考えろ。「決定力不足」と言われ続けの後輩に歯ぎしりしてきた
釜本さんも「タシケントの一戦」を見て、ひと安心だろうか。日本代表に現れた新星FW岡崎慎司選手。「一生ダイビングヘッド」とW杯切符をつかむ決勝点も頭で奪った。これで今年は八つの国際試合で7得点。「ゴールのにおい」がぷんぷんしている
全員で攻め、全員で守る。日本サッカーも組織力がベースらしい。FWでもラストパスを出す脇役にも回れば、危うい時には自陣にもとって返す。「気配りもできるエゴイスト」。岡崎選手は新たな「オレ流」に挑もうとしている。
天風録 中国新聞 2009年6月8日
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