2009年05月26日

千年前と同じような風景「壬生の花田植」水田の風景・・・ 天風録 八葉蓮華

 平安貴族の藤原道長が、娘に田植えを見物させたことがあった。化粧をして白いかさをかぶった女性が五十人ばかり。その後ろの田楽団は「鼓、腰に結ひつけて笛吹き、ささらといふ物突き、歌うたひ…」

 「栄華物語」が描く当時の田植えである。千年前と同じような風景が今も見られるのは、驚きといっていい。広島県北広島町の「壬生の花田植」が、ユネスコの「世界無形文化遺産」の候補に選ばれた。来年には登録の見込みだ

 田の神にささげたのが始まりという。飾り立てられた牛が、代かきをする。続いてささらを持った「さんばい」の歌が始まり、田楽のはやしに合わせて早乙女が苗を植えていく。太鼓の打ち手の踊るような動きは、まさに「心地よげに誇りて」という表現そのままだ

 竹を細かく割ったのが「ささら」。田植えの指揮を執るのが「さんばい」。しかし説明を聞いてもイメージしにくいだろう。それだけ花田植の世界は、多くの人にとっては遠いものになった

 減反が続く中で、田といっても昔ほどのありがたみはない。都市に住んでいれば水田の風景さえ見えない。米は普通に食べられる。だからこそ、かすかな不安がある。もう一度、花田植に込められた心をみつめてみたい。今年の開催日は六月七日である。

 天風録 中国新聞 2009年5月24日
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge
ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。