昨年ならこの時期には出ていた内定が、なかなか出ない。都内の私立大の就職担当者は「学生に疲れが見える」と話す。多くの企業がはなから新卒を採らなかったのが就職氷河期。ところが今年は、ごく少数に絞って採用しようとしている。競争はむしろ熾烈(しれつ)になろう
人材を育成する余裕がなくなっている企業。「現場ですぐ役に立ちそうな人」探しに躍起だ。そこでアピールするのは学生時代の専攻やサークル活動などでの「実績」。息を詰めたようなやりとりが続く
就職は、いわばいす取りゲームである。しかし世界的な不況のせいで「正社員」といういすの数が足らない。誰かがはじき出されるのが前提になっている。そこで敗れてしまったら…
「厳しい就職戦線で百社も落ちるという経験は究極の人格否定」と雨宮処凛さんが書いている(「生きさせろ」)。氷河期をくぐった世代を代弁する作家の言葉は、ずしりと響く。地下鉄の学生はどうしているだろう。ゲーム機でせめて心のバランスを取っているだろうか。
天風録 中国新聞 2009年5月23日
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