2010年07月21日

起業家の卵どころか、「カネの卵」の方に飛びついてしまった・・・ 天風録 八葉蓮華

 ある日、家のガチョウが金の卵を産んだ。次の日も、次の日も1個ずつ。欲張りな飼い主は我慢できず、めんどりの腹を探ってシなせてしまう。イソップの物語は目先の利益にとらわれる浅はかさを教える

 「卵をかえす銀行」。そんな英語の会社名を持つ日本振興銀行が、金融庁の検査を妨げた疑いで捜査されている。大手の銀行なら、はなも引っかけない中小企業。その救済を6年前の設立時の旗印には掲げていたはずだ。いったい何が起きているのだろう

 おいそれと借り手が見つからない。そのうちに消費者ローンなどと結び付きを強めていったようだ。ローン会社に高利で融通し、債権回収も委ねて荒稼ぎする手口。起業家の卵どころか、「カネの卵」の方に飛びついてしまった

 借り手の家の子どもが不法労働に駆り出されていないか、学校に通っているか。アジア最ヒン国とされるバングラデシュのグラミン銀行は、独自の物差しで「金の卵」の育ちようまで見極めようとしている。ヒン困救済への貢献が認められ、ノーベル平和賞を受けた

 グラミン銀行を創設したムハマド・ユヌス氏は言う。「社会問題を片付けるのが目的であり、目先の利益のためではない」と。二つの銀行とも、当初の志はそんなに変わらなかったはずなのに。

 天風録 中国新聞 2010年7月16日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 22:01| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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