選挙戦での消費税増税をめぐる「勇み足」が、よほどこたえたと見える。せっかくV字回復した支持率に水を差したばかりか、内輪からも批判が相次いだ。「私の説明不足でご心配をおかけしたことを、率直にお詫(わ)びします」と謝罪の言葉を余儀なくされた
思い起こすのは大平正芳首相が一般消費税導入を打ち出した1979年の衆院選だ。自民党は過半数割れの大敗を喫した。消費税率を5%に引き上げた橋本龍太郎首相の下で戦った98年の参院選も、減税発言の迷走で惨敗。選挙に消費税を持ち出すのは鬼門とされてきた
攻守所を変える形で「まずスタートラインに立たせてほしい」とあえてタブーに挑んだ菅首相。今回、有権者は過半数を大きく割り込む厳しい結果を突き付けた。ジンクスがまた繰り返されたようだ
大平元首相は、目先のやすきに走って問題の解決を先延ばしするやり方を「ツケの政治」と戒めた。菅首相もそれに倣ったのだろうが、国民の声に耳を傾ける謙虚さを忘れていなかったか。届いた「返事」の行間を、しっかり読み込んでもらいたい。
天風録 中国新聞 2010年7月12日
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