2010年07月16日

20年以上前の冷戦時代に戻ったような話・・・ 天風録 八葉蓮華

 SF作家の星新一さんが40年余り前に書いた短編「あるスパイの物語」は、対立国に潜入する男が主人公。同志に秘密書類を届ける任務中、当局に捕まってしまう。口を割らないでいたら突然、敵のボスから帰国を許される

 現実の世界で起きたロシアのスパイ団事件も不可解な結末だ。米国内で逮捕された男女10人と、ロシアで服役中の「西側の情報員」4人が交換の形で釈放された。20年以上前の冷戦時代に戻ったような話に、思わず耳を疑った

 10人は資金援助を受けながら、子連れの夫婦や「美ぼうの実業家」として米国社会で暮らしていた。連絡にあぶり出しインクを使ったり、すれ違いざまにバッグを交換したり。ハイテク全盛の時代になんとも古典的な手口が生きていた

 東西対立のさなか、日本も「スパイ天国」と呼ばれていた。東京では米中央情報局(CIA)と当時のソ連国家保安委員会(KGB)の要員が工作にしのぎを削っていたという。スパイ映画さながらの情報戦争の舞台だったのだろうか

 今回、米当局がスパイを暴くのに使った手段は盗聴や隠し撮りだったとされる。ストーカー行為などで、盗聴器を勝手に仕掛けるケースも後を絶たない昨今の日本。スパイならぬ「盗聴天国」とささやかれているかもしれない。

 天風録 中国新聞 2010年7月11日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:21| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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