2010年07月10日

朝とれたばかりの銀色の小イワシが店頭に並んでいる・・・ 天風録 八葉蓮華

 「小さな魚はとりたてに限る」。陶芸家で料理に通じた北大路魯山人の弁を、117万都市で実感できるのはかなり幸せなことではなかろうか。広島湾で朝とれたばかりの銀色の小イワシが店頭に並んでいる

 今が旬。百円玉3枚もあれば十分というお買い得感がまずうれしい。「七度洗えばタイの味」と言われる刺し身。よく冷やし、ショウガじょうゆに絡めればタイ以上ではないか。天ぷらの揚げたても絶品だし、煮ても焼いてもよし。新鮮さゆえの美味だろう

 調理に包丁は無用。手慣れると、ひものような内臓が最後まできれいに引っ張り出せる。刺し身にする際は、ヘラなどで身をはがす。誰が考えたのか、荷造り用のプラスチック製バンドでおろす早業も広まっている。広島発の知恵かもしれない

 小イワシはカタクチイワシの成魚。チリメンやイリコでおなじみの稚魚は、毎年わくように育つ。それを追ってクジラが瀬戸内海に入り込み、しまなみ海道の周辺に3週間近くとどまったことも。多くの生き物を養う海のコメのような存在でもある

 旬の食べ物の三大長所は、うまい、安い、栄養価が高い―とされる。それに加え、今の時季の小イワシには、一手間をかける楽しみもある。さて今夜、とりたてをどんな一品に仕上げるか。

 天風録 中国新聞 2010年7月5日
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ラベル:天風録
posted by 蓮華 at 23:37| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 天風録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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