半世紀近く前の高度成長時代に建った今の会館は衆院2棟、参院1棟。すべての議員がここに事務所を構え、議事堂とは地下の通路で行き来する。政局を動かす「場外戦」や、権謀術策渦巻く数々のドラマを生んできたのだろう
その建物を覆い隠すように立ち上がった3棟が「新居」だ。12階建て総事業費は1700億円。事務所の広さは100平方メートルと今の2倍以上になる。もちろん家賃は不要。まっとうな政治に要るのなら「ぜいたく施設」とは言うまい
ただ気になることがある。議員定数に合わせた衆院480、参院242の部屋数だ。定数削減との兼ね合いはどうなるのだろう。参院選マニフェストでは二大政党の民主、自民ともに衆参合わせて3けたの削減を掲げているはずだが
その通り実現すれば、空き部屋だらけとなる。さらに将来、一院制が現実になれば1棟は不要に―。国会改革にめどを付けてからでは遅かったのか。完成間近の会館への「入居権」も争う舌戦のさなか、しばし考えてしまう。
天風録 中国新聞 2010年6月27日
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